[パネルディスカッション]市民メディアの10年、これまでと、これから。

和田昌樹

和田昌樹(前横浜市民メディア連絡会代表、桜美林大学総合文化学群准教授)

10年前の2002(平成14)年9月に開催された横浜市立大学主催の市民シンポジウム「市民メディアの可能性を探る」をきっかけに、「横浜市民メディア連絡会」は設立されました。

2002年といえば、ブログが流行し、インターネットに接続できる携帯電話の加入契約数が5000万台を超えた年でした。また、住民基本台帳ネットワークシステムの稼働開始し、EU共通通貨「ユーロ」がスタート、横浜市長選に中田宏が当選した年でした。

当時の記録をふり返ると「横浜市民メディア連絡会」設立提言の趣旨は以下のようなものでした。

1)課題として

• 多様なメディアの中に、地域にとって有益・有効な情報がたくさん発信されているが、多くの市民にはそれらの情報は届いていない。

• 市民団体の活動は、地域社会の住みやすさや豊かさに貢献しているが、情報環境やメディアリテラシーの不足から、市民団体相互の情報交換・共有や情報発信が進んでいない。

• 多様なメディアを市民が有効に活用する方法の検証が求められている。

• 市民のメディアリテラシーの向上や情報デバイドの解消などが必要がある。

2)解決案として

• これらの課題は行政、マスコミ、市民活動などがばらばらに対応しているだけでは解決できるものではなく、市民、企業、大学、行政が協働して討論し、これらの課題解決をするの仕組みつくりが必要である。

3)提言として

• 横浜市民、横浜のメディア、横浜の大学、横浜市などの民・産・学・官が連携、協働する「横浜市民メディア連絡会」を発足させる。(民・産・学・官の連携、協働)

• 「横浜市民メディア連絡会」は、個人の資格での参加を基本として、自由な発想での発言・活動を求める。(個人参加)

• ITを利用したメーリングリストなどのネットワークにより情報交換を行い、さらに、これに多様なメディアをリンクさせてゆく。(メディアミックス)

• 直接会っての議論・研究を進めることも重要であり、テーマごとの研究会を定期的に開催して、研究発表・提言を行なう。(共同研究)

【参考資料】

「横浜市民メディア連絡会」設立提言

 

以上の設立提言の趣旨を読み返してみると、行政への市民参加、市民協働と、それを補完するITCの利用という考え方が色濃くあったことがわかります。

また、当選したばかりの若い中田市長へ期待もあったのでしょう。2002(平成14)年10月に開設された横浜市市民活動共同オフィスの入居団体を中心に、横浜の活性化のためにNPO、企業人、行政職員が集まり、協働を進める研究会が発足し、その情報分科会に横浜市民メディア連絡会の当時の事務局長原聡一郎さんや多賀和幸さんが参加され、積極的に活動されていたことが思い起こされます。

亡くなられた原さんの活動を思い返しながら編集された『みんなでつくる市民活動ガイド』(http://p.booklog.jp/book/15637)には当時、ITを活用すれば既存のメディアを超えて、市民が発信できる場ができるのではないかという可能性に期待していたことが詳しく記録されています。是非一度お読みいただければと思います。

さて、横浜市民メディア連絡会(YCMC)は、メンバーの一人ひとりが、自分自身の知識を提供し、それを基礎にして成り立っている組織です。問題を解決するために、情報を持ち寄り、交換し、行動する場として成り立っています(YCMCがスタートしたとき情報回転寿司のコンセプト)。

これはまさにドラッカーが言うところのナレッジ・オーガニゼーション(知識組織)に近いものです。

ドラッカーは、知識社会における組織は[メンバーの一人ひとりが、自分自身の知識を提供し、それを基礎にして成り立っている] (『明日を支配するもの』1999年)と定義し、仕事の大半が知識の動員によってなされる時代にあっては恒常的な組織は廃れ、問題を解決するために編成されては解体されるプロジェクトチームのようなものが営利・非営利を問わず主流となるだろうと予言しました。今の日本に欠けている組織論です。

そうした組織の中では、お互いにあなたは何ができるのか、したいのかと問いかけられることになるでしょう。また、私には何ができるのか何をしたいのかを自問することになるでしょう。

今回のシンポジウムでは、YCMCの原点に立ち戻り、パネリストのみなさんに以下の質問を投げかけることによって、お互いの得意なジャンルを認識し、そのことによって自分に足りない知識をおぎない、協力し合う関係を再構築することを目指したいと思います。

•  ❑   あなたの活動の目的はなんですか?

•  ❑   あなたが提供できる知識・技はなんですか?

•  ❑   あなたの他のメンバーはどんな知識・技を持っていますか?

•  ❑   あなたはどのようにしてその知識・技を身につけましたか?

•  ❑   あなたはその活動をいつはじめましたか?

•  ❑   あなたがその活動をはじめたきっかけはなんでしたか?

•  ❑   どのようにしてメンバーを集めていますか?

•  ❑   あなたの活動の評価軸を教えてください?

•  ❑   あなたの活動でもっともうれしかったこと、満足したものをあげてください?

•  ❑   あなたの活動の悩みはなんですか?

•  ❑   あなたにとって地域の課題とはなんですか?

どうぞよろしくお願いいたします。

市民メディアサミット06

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