メディアカフェ 2013-02[記録映像] 「ジャーナリズムの劣化と市民メディアの役割」

鈴木賀津彦さん

リニューアルしたメディアカフェ、2/11は副代表の鈴木賀津彦が「ジャーナリズムの劣化と市民メディアの役割」と題してお話をしました。ご存じの方も多いと思いますが、3.11以降、マスメディアへの信頼が一気に落ち込み、マスコミならぬ「マスゴミ」と呼ばれてしまう昨今、東京新聞はがんばっています。そのがんばりに貢献している一人が、仲間をほめるのはちょっと躊躇しますが、読者応答室長である鈴木の一連の動きであることは間違いないでしょう。

一般的にマスコミは一方的に情報を流し、まちがえた情報を掲載しても容易に修正しないイメージがありませんか? 鈴木は読者と一緒に誌面を作り、共感する「つながり」を作ることを重視して読者応答室長の仕事をしています。実際の読者からの反応とそれにどう対応したかの事例が話されました。一つだけ紹介します。日隅一雄さんからの指摘に適切に対応したことにより、市民メディアの草分けともいえる日隅一雄さんから「東京新聞は本物」「これこそ民主主義の実践」と絶賛された事例です。以下のリンクから5月266日の記事をごらんください。

http://yamebun.weblogs.jp/my-blog/2012/05/index.html

このような経験から、市民メディアとマスメディアがコラボレーションする時代になった、そのあり方をいっしょにデザインしよう・・ というのが鈴木のキーメッセージでした。まず市民がそれぞれ発信者となり、当事者メディアとなり、マスマディアとの連携が進めばもっと豊かな社会空間を作り出せるだろうという強い期待を述べました。この日は具体的な連携まで話を深める時間がありませんでしたが、市民メディアとしては自分の個性をはっきりさせ、クオリティの高い情報を発信すべきとの意見が会場からあったことが印象に残りました。

「政治と市民メディア」は今回が一回目です。今回の議論を深めるとともに、解禁になりそうなネット選挙の話なども取り上げ、今後もメディアカフェで議論していきたいと思います。お楽しみに。次回メディアカフェは3月11日の予定です。

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メディアカフェ 2013-02
話題提供:鈴木賀津彦さん(東京新聞編集局読者応答室長)

日時:2月11日(月・祝) 17時
会場:なか区民活動センター 研修室
主催:横浜市民メディア連絡会 https://yokohamacmc.wordpress.com

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メディアカフェ 2013-02 (1/2)
(前半:話題提供)

・ネットメディア解禁、マスメディアに対する不信感の時代
・読者応答室の仕事
・3.11後何が問われたか
・原発の「安全基準」から「規制基準」に呼び方を変えた事情
・「発表ジャーナリズム」は高度成長期はよかったが今は違う
・蝶の写真の投稿をめぐって
・間違い記事をただ訂正するのではなく、認識を高める方向へ
・専門家が上から目線で述べるのではなくきちんと議論する
・6.15デモの記事が東京新聞に載らなかったことに対する抗議への対応のいきさつ
・「おいしい年収7000万」政治家の収入の分析記事に日隅一雄さんから抗議が来た
・「無謬性の呪縛を乗り越えた東京新聞」と評価
・「無謬性の呪縛」マスメディアも官僚も市民社会も同じだ、変わらなければいけない
・記者クラブ制度は問題点はあるが、勝ち取ってきた権利と考える
・「記者クラブ問題」が情報を引き出せないという現状を生んでしまった
・情報公開を求める手段として市民メディアを取り込んで強くする
・豊かな社会空間としての媒体の役割を担っていく

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メディアカフェ 2013-02 (2/2)
(後半:質疑応答)

・質問:東京新聞の財政基盤はどうなのか?どのように変えていくのか
・読者がついている新聞には広告主は広告を出したいと思う
・広告効果が高い新聞を目指す新しいビジネスモデル
・読売新聞の場合は別の側面から捉えなければいけない
・「政府公報」だけでなく、共感と信頼を得ないと生き残れない
・販売収入と広告収入はどの社も同じくらいだろう
・質問:応答室便りの詳しい経緯は?
・質問:日隅さんが有名人だから対応したのか?
・質問:ネットから情報を集めて記事にすることは?
・質問:市民メディアとマスメディアの連携はどうやって?
・「今日の新聞一面トップ」というサイトがあり、新聞をチェックしている
・取材をするということが今ちゃんとできているのか
・取材力を高めることがこれから重要
・最終情報だけを押さえておけばいいという時代ではない
・当事者からの発信が重要
・専門家が信用されない
・行政と市民活動、専門家はどっち?
・みんなが納得する手法を持つプロ集団がマスメディアの役割
・市民メディアとマスメディアを繋げる仕掛けをつくればプロジェクトになる
・取材現場を支える資金の流れを作るしかけが必要
・ネット選挙解禁の中で市民メディアの役割が高まる
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